今年のベイスターズは打撃面で 4.4 勝分の戦力ダウン
今年のベイスターズは,FA によって選手が流出したり,外国人が入国できていなかったりしています。そのため,かなり戦力ダウンがあるのではないかと危惧されています。それが数字にしてどれくらいになるのかを調べました。
今回は,セイバーメトリクスにおいて使われる RC27 という指標を用いました。RC27 とは,その打者が一人で打線を組んだ場合, 1 試合あたり何点とれるかを示した数値です。*1
まず,以下の仮定をおきました。
仮定
- 各選手は去年と同じ成績を残す
- 各選手は去年と同じ割合で打席に立つ
このうえで,各選手の RC27 の打席数による加重平均をとれば,チーム全体の RC27 を求めることができます。すなわち,チームの 1 試合の得点の期待値を求めることができます。
まず,主な野手の昨年の RC27 の値,及び打席数です。横線で消されている選手は流出した選手,あるいは開幕に間に合わないとされている選手です。(四角カッコで囲まれた数値が打席数を示します。)*2
投手
合計 -0.56 [245]
捕手
戸柱 1.90 [276]
伊藤光 3.82 [63]
嶺井 5.73 [60]
高城 2.90 [46]
(ソト 5.08 [480])
宮崎 5.40 [460]
(ロペス 3.39 [305])
柴田 4.82 [276]
大和 4.22 [225]
倉本 3.97 [216]
中井 3.49 [105]
田中俊 5.27 [78]
山下 1.90 [46]
外野手
(梶谷 7.53 [482])
佐野 7.49 [451]
(TA 7.77 [269])
神里 6.00 [190]
乙坂 2.82 [115]
細川 3.06 [54]
桑原 0.71 [42]
さて,今いる選手について加重平均を取ると,チーム全体の RC27 は 4.28 になります。去年のチーム全体の RC27 は 4.59 だったので,1 試合あたりの得点期待値は 0.31 点減少すると考えられます。
これを 1 シーズンに直すと,143 試合で 44 点減少する=(RPW*3 を 10 として)(打撃の方だけ見ても)1 シーズンで昨年と比べて -4.4 勝分の戦力ダウンがあると推測できます。
当然,新加入の選手(特に牧)が活躍したり,あるいは他の選手が成長したりすれば,この数値はよくなるでしょう。また,外国人が来日してチームに加入できれば,大きくプラスになると考えられます。一方で,怪我や不調などに陥る選手がでれば,さらにひどい数値になることも考えられます。ただ,全体に戦力ダウンがあったというのは否めない事実のようです。